CMPツール(同意管理プラットフォーム)とは?国内外で対応可能なツールの選び方
CMPツール(同意管理プラットフォーム)は、ユーザーのプライバシーを尊重し、法的に求められる同意管理を適切に行うために多くの企業で導入が進んでいます。CMPとは広義では個人データの収集・処理に関する同意管理のことをさし、狭義ではクッキーの同意管理を指すこともあります。この記事では、狭義の意味でCMPツール=クッキーバナーとして解説をいたします。※クッキー以外のトラッキング技術も含め簡略化のため本書では以後クッキーと記述します。
CMPツール(同意管理プラットフォーム)とは?
近年、プライバシー保護に対する意識が高まり、EUのePrivacy DirectiveとGDPR(一般データ保護規則)を代表例として各国で個人データの収集や処理に関しての規制が強化されています。例えば、ePrivacy Directive は2002年に採択され、クッキーに関する規制が開始されました。ePrivacy Directiveでは第5条3項で「ユーザー端末に情報を保存する、あるいはその端末に保存された情報にアクセスすることはユーザーに対して明確かつ包括的な情報が提供され、かつ、処理を拒否する権利が与えられている条件のみで許可される」とされ、クッキーの処理にはユーザーへの情報提供と拒否権の付与が必要とされましたが、その後2009年のePrivacy Directive 改正により、クッキーの処理にはユーザーの同意が必要とされました。また、この「同意」はGDPRの第4条11項により「陳述または明確な積極的行為により表明されたもの」でなければならないとされています。このような厳格な法規制に適切、かつ効率的に対応するための現実的な手段としてCMPツールは多くの企業で導入が進んでいます。例として挙げたEUのみならず、今では世界各国でクッキーに関する規制が強化されているため、グローバルに展開をする企業であれば各法域に適切に対応するためにはCMPツールの存在は欠かせないものとなっています。
CMPツール(同意管理プラットフォーム)の機能・役割
CMPツールはただ同意管理をするだけではなく様々な機能が備わっています。本章では、CMPツールが担う具体的な機能と役割について解説します。
クッキーバナーの作成・配信
CMPツールを使用することでWebサイトに訪問したユーザーに対して表示させるクッキーバナーを作成し、配信をすることができます。CMPツールによって設定内容は異なりますが、クッキーバナーの内容をカスタマイズして法域ごとに配信内容を変更することも可能です。
クッキーバナーを0から作成する必要がなく、CMPツールのシステム上で細かい設定が可能となります。
クッキーバナーに関する詳細な情報については、下記の記事でも詳しく解説をしています。
ユーザーの同意の管理、同意数、拒否数の把握
CMPツールは、ユーザーから取得した同意や拒否の情報を管理する役割を担います。ダッシュボードなどで同意の数、または拒否の数などを期間やデバイスごとで確認することができ、どのような表示方法が効果的か分析をすることもできます。
同意に基づいたクッキーの制御
CMPツールは、ユーザーの同意状況に応じて適切にクッキーを制御します。例えば、ユーザーが特定の種類のデータ収集に同意した場合のみ、関連するクッキーが発行されるように設定をすることが可能です。トラフィックソースをカウントできるクッキーは許可をするが、広告・マーケティングに関わるクッキーは拒否をするなどツールを介してユーザーが選んだ設定でクッキーの制御を行えます。
クッキーのクロール機能
CMPツールを使うことで、Webサイトに設置されたクッキーをクロールし、どのようなデータが収集されているかを確認することができます。この機能により、自動的に自社サイトで使用されているクッキーの全容を抽出し、クロール結果の内容から情報開示をする内容の把握や同意が必要かどうかの判断をすることができます。この機能がなければ手作業で確認と登録をする必要がありますので、運用コストを大幅に下げることができます。
法改正に伴う自動アップデート
世界各国でプライバシー関連の法律や規制は頻繁に更新されています。CMPツールは、各国の法改正に対応するための自動アップデート機能を備えています。これにより、Webサイト運営者は常に最新の規制に準拠した同意管理を行うことができ、法的リスクを回避できます。もしこの機能がない場合は常に各国の法規制の変化を調査し続ける必要があるため、グローバルに展開をすることを想定しているなら必須機能とも言えるでしょう。
企業・サイトの信頼獲得
プライバシー保護の意識が高まっている昨今では、積極的にプライバシー保護に配慮した運用をしている企業は法的義務を果たしているだけではなく、ユーザーからの信頼を得やすくなります。逆に言えば、プライバシー保護に対して不適切な対応をしている企業は信頼を失い、結果的にサービスの利用者数や売上にも影響が出る可能性があります。積極的な情報開示や透明性のある説明、本人関与機会の提供をしっかりと行うためにCMPツールを活用してユーザーが不快な思いをしないようすることは現代の企業のマナーとも言えるでしょう。
CMPツール(同意管理プラットフォーム)を導入する時の注意点
サイトのUI/UXに影響を与える場合がある
多くのCMPツールでは、導入をするとクッキーバナーがサイトに表示されますが、このポップアップがサイトのデザインやUI/UXに合わないことがあります。特に、バナーのデザインや表示場所が目立つ位置だと、ユーザーがサイトを離脱する原因となりかねません。これを防ぐために、CMPツール選定時には、サイトのデザインに合わせて位置やサイズなどをカスタマイズできるツールを選ぶことが重要です。
導入後もメンテナンスが必要
CMPツールは、一度導入すれば終わりというわけではありません。法規制の更新や活用するマーケティングツールの変更、プライバシーポリシーの変更があった場合に表示方法やツールの設定を調整する必要があります。継続的なメンテナンスが求められるため、導入時に運用体制を整えることが大切です。このとき、自動的に法改正に対応できるツールを選ぶことで、メンテナンスの手間を軽減することが可能です。
CMPツール導入の流れ
CMPツールの導入は、いくつかのステップを経て行われます。以下では、導入までの一般的な流れについて説明します。
① CMPツールの選定
まず、自社サイトに適したCMPツールを選定します。この際、サイトのデザインや法規制への対応力を考慮に入れることが重要です。カスタマイズ性や法改正への対応機能を備えたツールを選ぶことで、導入後の運用がスムーズになります。
② 対象となるサイトの要件確認
CMPツールの導入が決まったら、対象となるサイトがどの国のデータ保護法に対応するべきなのかなどの要件を固めます。法域によって必要なクッキーバナーの実装要件が異なるためです。
③ CMPツールで対象サイトのクロール
対象となるWebサイトをCMPツールでクロールし、利用しているサービスの抽出と特定を行います。ここで特定したサービスに応じて送信される利用者情報や利用目的の内容を取得します。
④ クッキーバナー作成と設定
表示されるクッキーバナーの作成や設定を行います。クッキーバナーに掲載する説明文などを設定します。
⑤ スクリプトの生成と実装
各種設定が完了した後にバナーを出力するスクリプトの生成と対象サイトへの埋め込みを行います。まずは検証環境で挙動を確認し、問題なければ本番環境への実装となります。
CMPツールの選び方・比較するポイント
CMPツールを選択する際は、様々な機能や特徴を比較することが重要です。以下に、主要な比較ポイントとその重要性について解説します。自社のニーズや状況に応じて、これらのポイントを総合的に評価して導入するCMPツールを決めましょう。
各国の規制に対応しているか
国や地域ごとにプライバシー保護規制の内容が異なるため、CMPツールがどの法域に対応しているかを確認することが重要です。日本の法規制に対応していることはもちろん、GDPRなどの厳格な規制に対応しているツールを選ぶことで、グローバルにビジネスを展開する企業も安心して利用できます。
改正電気通信事業法に対応しているか
日本では2023年6月に施行された改正電気通信事業法では外部送信規律が設けられ、対象事業者がWebサイトやアプリでクッキー情報などを外部に送信する際に一定の情報提供等が義務づけられることになりました。対象事業者は「通知または公表」「事前同意取得」「オプトアウト機会提供」のいずれかに対応することが必要なります。これらの義務に対応できるような設定がCMPツールの中に組み込まれているかどうかはツール選定をするにあたって非常に重要なポイントです。
サイトフィルタリングやAge&Locationに対応しているか
CMPツールがサイトフィルタリングやAge&Locationに対応しているかもポイントです。サイトフィルタリングとは例えば医療関係者のみにWebサイトを表示させるなどユーザーを選別したい時に活用できる機能となっており、Age&Locationはアクセス元によって年齢確認の内容を切り替える機能となります。この機能は国や地域によって親権者同意が必要な年齢が異なりますが、それに対応する時に利用します。
GEOロケーションルールを設定できるか
GEOロケーションルールの設定が可能だと、ユーザーの位置情報に基づいてクッキーバナーの出し分けをすることが可能です。これにより、そのユーザーがいる法域に適した対応を適切に行うことができます。
ゼロクッキーロードに対応しているか
ゼロクッキーロードに対応しているかどうかも重要です。ゼロクッキーロードとは、ユーザーが同意をする前にクッキーを読み込まない仕組みのことを指します。EUのGDPRではクッキーを処理する前にユーザーから同意を得る必要があるため、グローバルに事業展開をする場合はゼロクッキーロードに対応できているツールの導入が必須です。
クッキーバナーのカスタマイズに対応しているか
クッキーバナーのデザインや文言をカスタマイズできる機能は、ユーザー体験を最適化する上で重要です。自社サイトのデザインやブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能なツールを選ぶことで、UI/UXを毀損させることなく導入することができます。日本においては、特にブランドサイトなどで法的義務がない場合に、サイトデザインに影響が出ることからクッキーバナーの導入を躊躇するケースが多くあります。もし表示方法のカスタマイズが柔軟にできるクッキーバナーであれば導入をするハードルは低くなるでしょう。
日本語でのサポートが充実しているか
日本語でのサポートが充実しているツールを選ぶことも、日本企業にとっては大きな安心材料となります。技術的なトラブルが発生した際も、日本語でのサポートが受けられることで、迅速かつ適切な対応が可能になります。
日本製で安心して利用できるか
日本製のツールは、日本の法規制やビジネス慣習に精通しており、日本人が使いやすく設計され、安心して利用することができます。日本市場に特化したサポートや機能を備えたツールを選ぶことで、安心して導入・運用をすることができます。
クッキーバナーは新しいプライバシーツール「STRIGHT」がおすすめ
UI/UXを損なわない設計や、豊富なカスタマイズ設定、出さないクッキーバナーとしてユーザーに不要なストレスを与えることがないSTRIGHTは新しいプライバシーツールです。
クッキーバナーの導入を検討している方におすすめしたい、STRIGHTの特徴を5つご紹介します。
UI/UXを毀損しない
STRIGHTは、ブランドサイトに適したツールです。これにより、Webサイトに大きくクッキーバナーが表示されることはないため、サイトデザインを損なうことはありません。ユーザーにとっても、訪問時に大きなバナーが表示されないことで快適にWebブラウジングを行えます。もちろん、GDPRなどオプトイン同意が必要な法域への対応や希望に応じてクッキーバナーを表示させることも可能です。
マーケティングデータの取得もしっかり行える
日本ではクッキー情報の処理はほとんどのケースで同意が不要であり、透明性のある情報開示とユーザー自身がいつでもオプトアウトできるように本人関与機会が提供されていれば問題ありません。STRIGHTは日本の法規制に則り、オプトアウト方式をデフォルトで採用しているため、マーケティングデータの取得もしっかりと行えます。クッキーバナーの導入はUI/UXへの影響だけではなくマーケティングデータの取得ができなくなることを危惧して導入を見送られてしまうケースもありますが、STRIGHTではそのような心配はありません。
導入が簡単
STRIGHTは、注文からデリバリー、課金、サポートまでを完全自動化しているため、導入までのプロセスが非常にスムーズです。ライセンス購入に付属する導入マニュアルや導入解説動画を元に自社完結することが可能です。もし不明点や導入に不安がある場合は専門家チームによるサポート(別料金)も利用できるため、スピーディーにサービスを開始できます。サポートも基本契約に含まれているため、追加契約は必要ありません。
各国の法規制対応とメンテナンスのしやすさ
STRIGHTは、日本の改正電気通信事業法への対応はもちろん、海外の法規制にも対応したテンプレートを提供しています。これにより、世界中のどの法域にも対応できるバナーを作成することが可能です。また、もし法規制の更新があった時はSTRIGHTのテンプレートも合わせて更新されます。状況が変わることで細かいプライバシーポリシーや表示方法の調整が必要な場面が出てくるかもしれませんが、STRIGHTは細かくカスタマイズできる機能が備わっており、メンテナンスのしやすいことも特徴の一つです。
日本製ツールなので安心して利用できる
STRIGHTは、日本のインターネットのパイオニアであるIIJが提供する日本製ツールです。 日本語完全対応のサポートやマニュアルが用意されており、安心して利用することができます。国内随一のプライバシー保護対応の知見を持つIIJのコンサルタントが手厚くサポートいたします。
ポイントを押さえて自社に合ったプライバツールを導入しよう
プライバシー保護の意識が高まっている現代においてプライバシーツールの導入は不可欠な要素となっています。適切なツールを導入することで、法令遵守というリスク管理だけでなく、ユーザー体験の向上や社会的信用の獲得といったポジティブな成果も期待できます。
UI/UXを損なわず、柔軟な設定が可能なSTRIGHTは、ビジネスニーズとユーザー保護の両方を満たす新しいプライバシーツールとなっています。プライバシー保護は避けて通れない課題ですが、それを単なる規制対応ではなく、ビジネス成長の機会として捉えることが重要です。プライバシーツールを戦略的に活用し、ユーザーとの信頼関係を築きながら、ビジネス展開を推進していくことが、これからのデジタル時代における成功の鍵となるでしょう。
これらのポイントを満たすのはIIJのSTRIGHT
- 法務的にCookie同意の取得をしないといけない…
- ユーザーに手間かけてCVを減らしたくない…
- サイトのデザインを壊したくない…
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